日本語教育能力検定試験の解説

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平成29年度(2017) 日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Aの解説

2017年(H29)日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3Aは、【音節とモーラ】に関する問題です。

(1)日本語においてモーラが持つ音韻論的性質とは?

とは、仮名1文字分に相当する日本語の発音上の単位でモーラとも呼ばれる(完全攻略ガイド第4版p103より)

音韻論的性質というと難しく聞こえますが、音韻とは言語の音声のことなので、モーラ(拍)が持つ音に関する性質を考えればよいかと。

それぞれの選択肢を見ていくと、

1.等時性

等しい時間、日本語におけるモーラ(拍)は、それぞれ長さが同じです。かな1文字はだいたい同じ長さで話される等時性という特徴があります(完全攻略ガイド第4版p399)。俳句や短歌などもこの考えから作られていますし。ひらがなの勉強を始めたばかりの学生とディクテーションするときなどは、一文字ずつ発音しながら手をぱんとたたき拍を意識してもらったりしますね。よってこれが正解です。

2.同化性

同化とは同じようになること。モーラが同じようになる? ちょっと何言ってるかわからないですね。

3.共時性

共時性をグーグル先生に尋ねると、「シンクロニシティ、ユングが提唱した概念で「意味のある偶然の一致」を指し、日本語では「共時性」「同時性」などと訳される(Wikipediaより)とのこと。 やはりモーラの共時性と言われてもちょっとなにおっしゃっているのかわからない…。

4.同時性

同時性をグーグル先生に尋ねると…(以下同文)

(2)「仮名1文字がモーラに対応し」に当てはまらないものとは?

 促音(小さい「っ」や撥音(ん)は独立して一拍と数えますが、拗音は「きゃ・きゅ・きょ」など合わせて一拍と数えるので、答えは2です。

(3)言語とリズムの組み合わせとして最も適当なものとは?

モーラリズムの言語…日本語

音節リズムの言語…中国語、韓国語、スペイン語、イタリア語などのラテン系。

強勢リズムの言語…英語、ドイツ語などゲルマン系、ロシアなどスラブ系

よって、答えは2です。

(4)「特殊拍」に関する記述として不適当なものとは?

 特殊拍(モーラ拍)とは、語頭や単独では現れることが出来ず、必ず独立する拍の後にくる「ッ」(促音)「ン」(撥音)「-」(長音(引く音))のことです(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第4版p400)。

1.音節末に現れることがある。

ギター(長音)、新幹線(撥音)、など音節末に現れることはあります。

2.先行拍により音声が決まるものがある。

長音は先行拍により音声が決まります。

例えば、ギターの「ー」の発音は、先行拍の「タ(ta)」で決まります。コピーの「-」の発音は先行拍の「ピ(pi)」で決まります。

なお、撥音は原則として次の子音と調音点を同じにする鼻音(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第4版p420)です。促音も原則として次の子音に影響を受けます(例:切手をローマ字で書くとkitte)。

3.どの特殊拍も基本的に音節頭に現れない。

音節とは【子音+母音+子音】で構成される音の集まりです。

促音の場合、きて(kitte)は、【きkit/てte】の2音節、

撥音の場合、うこ(unko)は、【うun/こko】の2音節、

長音の場合、ギター(gitaa)は、【ギgi/ターtaa】の2音節、

というように、どの特殊拍も基本的に音節頭には現れません。

4.どの特殊拍も子音音素を含む

ギターの長音「-」はa(母音)と発音するように、長音は子音要素を含みません。

よって、答えは4です。

(5)外来語のように新しく日本語に入ってきた語のアクセント核は?

 日本語(東京方言)には高いと低いのアクセントがありますが(例:雨(高低)、飴(低高))、アクセントが高から低へ変わるところをアクセントの滝といい、低になる直前の最後の高い拍にアクセントの核があるといいます(日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第4版p428)。

アスファルトをこっそり声に出して読んでみると、語末から3拍目(ファ)の後に低くなることがわかります。他にも、マニフェスト、ダイジェスト、など似たような外来語をこそこそ読んでみるとやはり語末から3拍目!よって、答えは3です。

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